読者「ZAIXで口座のお金がなくなった、という話を見ました。何が起きたんですか?」
億マネ「2023年6月の損失をめぐる話ですね。行政が公表した事実と、個別の取引について語られている内容を分けて確認してみましょう」ZAIXについては、当時、口座残高がゼロやマイナスになったとの情報が出回りました。ただし、投稿だけでは各口座の注文数量、約定価格、契約内容まで確かめられません。損失があったという話から直ちに犯罪の成立まで断定することはできないため、まずは確認できる資料を押さえます。
2023年5月にはGEMFOREXもサービスを停止しました。同社については2026年2月15日付でGemtrade LLCが破産手続きに関する告知を出していますが、これはZAIXとは別の事業者の話です。海外FXをひとまとめにして安全・危険と決めるより、契約する会社、登録の種類、お金の保管方法、出金条件を一つずつ見ることが大切です。ボーナスの額やSNSでの人気は、その確認の代わりにはなりません。
この記事では、ZAIXの過去の会社案内、日本の財務局が公表した警告、コピートレードの損失を確認するときの着眼点を順に整理します。
読者「知名度より、確かめる順番が大事なんですね」
億マネ「はい。入金する前に確かめたい点を、具体例と一緒に見ていきましょう」
ZAIXの情報は、行政資料・登録・体験談を分けよう
深刻な内容ほど、誰が何を確認した情報なのかを整理します。
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| 情報の種類 | 確認できること | そこから断定しないこと |
|---|---|---|
| 関東財務局の警告 | 無登録の店頭デリバティブ勧誘への警告 | 個別損失の原因や犯罪認定まで確定したとは限らない |
| 海外のMSB登録 | 当該制度での登録情報 | FXの営業免許や当局による推奨ではない |
| 会社が掲載した所在地・番号 | 当時そのように案内していたこと | 現在の営業実態や番号の有効性が確認できたとは限らない |
| 損失や出金に関する投稿 | 投稿者の訴え・体験 | 全員の損失額や返金状況を代表する証拠ではない |
所在地が虚偽である「可能性」という行政資料の表現を、虚偽確定と読み替えません。現在の受付や出金が可能と確認したものでもありません。
ZAIXはどんな会社?昔の会社案内をどう読めばいい?
ZAIXは過去の会社案内で、2019年に設立し、2021年にサービスを始めたと説明していました。以下の表は2022年当時の案内に基づく記載で、現在の法人情報や営業状況を保証するものではありません。資本金や住所も、事業者側の説明と、公的資料で確認された事実を区別して読んでください。SNSで紹介されたことだけを理由に、取引相手の信用を判断することはできません。
読者「『金融商品取引業者登録番号』と書かれていれば、日本の登録業者ですか?」
億マネ「この表の表現だけでは、そのようには判断できませんよ。米国のFinCENやカナダのFINTRACに関する登録と、日本の金融商品取引業の登録は別の制度なんです」引用中にはM217802943とM21780294という番号の不一致もあります。ここでは当時の記載を引用として示しますが、番号の有効性や登録対象を認定する趣旨ではありません。また、関東財務局の警告は住所について『虚偽の可能性』と記しており、実在しない住所だと確定した発表ではありません。
| 商号 | 株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.) |
| 金融商品取引業者登録番号 | M217802943号 |
| 本店所在地 | 165 Yonge StToronto, ON M5C 2L7, CA |
| 会社設立 | 2019年10月 |
| サービス開始 | 2021年7月 |
| 資本金 | 8,800,000ドル |
| 加入協会 | 加金融庁特定金融情報室(FINTRAC) |
| 事業内容 | 外国為替取引業 仮想通貨および暗号通貨取引業 |
| 主なサービス | 口座開設サービス 入出金サービス 商品運用サービス |
| 金融サービス規制 | アメリカ財務省管轄(FinCEN)によって、国際送金、外国為替取引、通貨取引/送金(暗号通貨/仮想通貨を含む)、ICO発行、前払いの提供やトラベラーズチェックの発行など幅広い金融サービスの提供が承認 認可番号:31000237737875号 カナダ金融庁特定金融情報室認可は、FINTRAC (The Financial Transactions and Reports Analysis Centre、カナダ金融取引・報告分析センター)によって監督および発行 認可番号:M21780294号 |
※引用参照URL:https://zaix.com/company/
当時の案内に掲載されていた取扱商品
- FX:60種類以上の通貨ペア
- 商品CFD:貴金属、原油、天然ガスなど
- 株価指数CFD:日本225種や米国N100種など
- 仮想通貨CFD:ビットコインなど主要通貨
読者「米国やカナダの機関名があると、資金も守られていそうですが」
億マネ「機関の名前より、登録で何が確認されるのかが大切ですね。FinCENもFINTRACも、登録が業者への推薦や営業免許を意味するわけではないと説明しています」マネーロンダリング対策などのためのMSB登録を、FX口座の安全性や返金の保証に置き換えることはできません。
日本語の説明が自然であることも、運営者の国籍や不正の有無を証明する材料にはなりません。確認したいのは、契約書の相手方と会社案内が一致するか、その法人が対象の商品を提供できる登録を持つか、契約にどの国の法律が適用されるかです。会社名が似ていても別法人なら、登録や補償の範囲が同じとは限りません。2026年9月の確認では、過去の案内から現在の受付状況や出金の実行状況まで確かめることはできませんでした。ウェブページが検索に出ることだけで、正常に営業しているとは判断できない点にも注意してください。
財務局の警告で確認できることは何?
関東財務局は2022年12月26日、株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.)について、インターネットを通じて無登録で店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたとして警告を公表しています。店頭デリバティブとは、取引所を介さず業者を相手に行うFXなどの取引のことです。
読者「海外に登録があれば、日本では登録しなくてもいいのでは?」
億マネ「日本に住む方を相手に金融商品取引業を行う場合は、原則として日本の登録が必要なんです。海外の登録だけでは代わりになりませんよ」
次はその警告の引用です。これは無登録での勧誘についての行政上の公表であり、個々の損失の原因や詐欺罪の成立を認定した判決ではありません。ただし、利用判断で軽く扱ってよい情報でもありません。名称だけでなく、警告の対象となったサービス名、日付、行為の内容を確かめてください。
無登録で金融商品取引業等を行う者について(株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.))
令和4年12月26日 関東財務局
無登録で金融商品取引業等を行う者について、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針II-1-4(4)に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。 警告を行った無登録業者の業者名等概要 業者名等 株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.) 所在地又は住所 165 Yonge StTronto, ON M5C 2L7, CA 内容等 インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの 備考 当該業者が提供するサービスの名称は「ZAIX、ZAIX取引所」である。残高が減ったとき、コピートレードの何を確認する?
ZAIXをめぐる2023年6月の話では、コピートレードの損失やロスカットが原因として挙げられました。コピートレードは、ほかの人の売買を自分の口座にも反映する仕組みです。ロスカットは、損失が膨らんだ口座の取引を業者が強制的に決済する仕組みを指します。ただし、個別の取引履歴や調査結果を確認できていないため、ここでは当時の話から損失額や原因を確定しません。
読者「経験のある人の取引をまねても、損はするんですか?」
億マネ「はい。判断を任せても、相場が逆に動くリスクは残るんです。取引量まで大きくしてしまうと、少しの値動きでも口座への影響が大きくなりますよ」
例えば計算例として、1ドル150円で1万ドルを買い、149円で売った場合、手数料などを除く損失は1万円です。同じ1円の下落でも10万ドルなら10万円になります。値動きの幅だけを見て『これだけで資金がなくなるはずがない』とは言い切れません。預けた証拠金に対する注文数量、同時に持ったポジション、売買価格の差、決済の時刻を合わせて確認する必要があります。経済指標の発表時には価格が急変することもあり、指定した価格と実際に成立した価格がずれる場合もあります。もっとも、そうした一般論だけで特定の業者の処理が適正だったと証明できるわけでもありません。取引履歴と当時の約定条件を照らし合わせることが出発点です。
SNSの紹介や『元本保証』という説明についても、誰が、どの契約で、何を保証すると言ったのかを確認してください。
読者「『絶対に減らない』と言われたら安心してしまいます」
億マネ「FXの取引そのものには損失の可能性があります。安心させる言葉だけで判断せず、保証する相手と条件を書面で確かめてみましょう」元本保証をうたう資金集めには法令上の問題が生じ得ますが、具体的な違反の判断には勧誘内容や資金の受け取り方などの事実確認が必要です。裏付けのない被害総額や犯罪の断定を広めるより、勧誘画面、送金先、取引履歴、問い合わせへの回答を保存することが役立ちます。出金のために追加の税金や保証金を払うよう求められた場合も、説明だけで送金を重ねず、消費生活センターや警察などに相談してください。
紹介されてすぐ入金する前に、何を確かめる?
読者「長く運営していて、口コミが多ければ大丈夫ですか?」
億マネ「運営年数は参考になりますが、それだけで安全が保証されるわけではありませんね。いま契約する法人と、適用される条件を確認することが大切なんです」古い実績が別の会社のものだったり、ブランド名が同じでも契約法人が変わっていたりする場合があります。出金できたという一度の体験談も、その後の出金を保証しません。
入金前に確認する項目を、次のように整理しておきましょう。自分では確認できない点が残るなら、紹介者の勢いに合わせて急ぐ必要はありません。
入金する前に自分で確認したい4つのこと
・登録先の当局名、登録対象の法人、認められた業務、日本の登録・警告情報を確認する ・ブランドの年数だけでなく、契約法人の変更やサービス停止の履歴を確認する ・口コミは日付と根拠を確認し、紹介料を受け取る投稿と実際の取引資料を区別する ・利益の広告だけでなく、損失、出金条件、資金の管理方法、問い合わせ先を書面で確認する
読者「誰かに任せても、取引量と損失の確認は自分で必要なんですね」
億マネ「そのとおりです。仕組みや契約が分からないまま、お金を預けるのは避けたいですね。疑問に具体的な回答が得られるか、落ち着いて確かめてみましょう」生活費や近く使う予定のお金を、理解できていない運用に回さないことも大切です。すでに困っている場合は、一人で業者とのやり取りを抱え込まず、資料をそろえて相談してください。登録情報、契約内容、実際の取引記録という確認できる材料を軸に、次の行動を決めましょう。



