海外バイナリーオプションを始めようと思いさまざまな業者について検索していると、「海外バイナリーオプションは違法」「詐欺業者が多くて危険」などという口コミを目にする機会があるでしょう。このような情報に不安を抱き、口座開設を迷う方は多くいます。
そこで今回は、海外バイナリーオプションの違法性について、業者側とトレーダー側の両面から見ていきたいと思います。また、良くない噂が出回る理由についても触れています。これからバイナリーオプションを始める方や、口座開設に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
海外バイナリーオプションが違法と噂される原因
そもそも、なぜ「海外バイナリーオプションは違法」と言われたり思われたりするのでしょうか。それには、バイナリーオプション業界で生じる以下の事例に原因があるためと思われます。
BAD
・金融庁がバイナリーオプションについて警告しているため
・多くの海外業者が無登録でサービスを提供しているため
・レクチャー詐欺などが多発しているため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金融庁がバイナリーオプションについて警告しているため
海外バイナリーオプションが違法とされる理由の一つに、金融庁が公式サイト上で「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」といった注意喚起を行っている点が挙げられます。これは海外業者に限らず国内バイナリーオプションも含めていることで、利用者に対して以下のことを警告しています。
注意事項
・バイナリーオプションはリスクの高い投資
・「必勝法」「勝率××%」などの儲け話を用いた詐欺
・無登録業者が提供するサービスの危険性
バイナリーオプションはれっきとした投資のひとつですが、取引ルールの単純さから誰でも簡単に始められる特徴があります。そのため、初心者をターゲットにした悪徳業者が虚偽の情報を掲載したり、投資をあおったりすることがあるようです。
そのようなトラブルに巻き込まれないために、金融庁はバイナリーオプションの利用について注意喚起を行っています。これにより、海外・国内含めて「バイナリーオプションは違法」という情報が流れてしまっていると考えられます。
多くの海外業者が無登録でサービスを提供しているから
海外バイナリーオプションが違法と言われる原因には、金融庁に登録していない海外業者が日本国内でサービスを提供している点が挙げられます。
そもそもバイナリーオプションは、金融商品取引法上の「店頭デリバティブ取引」に該当するため、国内投資家へ業としてサービスを提供する場合には、金融商品取引業の登録が必要となっています。たとえ海外での金融ライセンスを保有する業者であっても登録は必要で、無登録のまま国内のトレーダーへ「勧誘行為」を行うと、違法になるのです。
ちなみに、無登録で金融商品取引業を行っているとして、過去2年間に金融庁(財務局)が警告した海外業者を以下に挙げてみました。
日付・警告内容 | サービス名 | |
Rupex Limited | 令和5年10月25日 | AmazingTick |
sixamo Group Limited | 令和5年10月25日 | sixamo FX |
JustforexGO | 令和5年10月25日 | JustforexGO |
HLMI Markets International Limited | 令和5年9月25日 | HighLow |
FairGrowth Investment Management Ltd(フェアグロース投資顧問株式会社) | 令和5年9月25日 | – |
ThreeTrader Global Limited | 令和5年8月25日 | ThreeTrader |
株式会社スリーエス | 令和5年8月25日 | スリーエスジャパン、Three.S.Japan |
株式会社ストックラボ | 令和5年7月28日 | 急騰サーチ、AI株価予測システム、AI株価予想システム、AI銘柄選定システム、株価予想人工知能システム |
Luda Markets Ltd | 令和5年7月28日 | Luda Markets Ltd |
K2 Holdings | 令和5年6月21日 | K2 Investment |
CRYPTOGRAPH LIMITED | 令和5年6月21日 | CRYPTOGRAPH LIMITED |
Big Boss Holdings Company Limited | 令和5年6月21日 | BigBoss |
Billion FX Asia | 令和5年5月31日 | BILLIONFX |
VT Markets | 令和5年5月31日 | VT Markets |
Nidex Limited | 令和5年5月31日 | Forexland |
FXFair Ltd. | 令和5年4月21日 | FXFair |
HAST Financial Group Ltd. | 令和5年4月21日 | HAST FOREX |
Nymstar Limited | 令和5年4月21日 | Exness |
U.L.J CO.Ltd | 令和5年4月21日 | – |
株式会社ルナシー | 令和5年3月29日 | STEP |
Rev Trading Limited | 令和5年3月29日 | REV TRADING |
Vantage Global Limited | 令和5年3月29日 | Vantage |
Act Plus Holdings Ltd. | 令和5年3月29日 | Mtransactional |
ACY Capital Australia Limited | 令和5年2月27日 | ACY SECURITIES |
Elland Road Capital PTY LTD | 令和5年2月27日 | Elland Road |
MGK International | 令和5年2月27日 | MGK International |
Aroon Trading Company | 令和5年2月27日 | Aroon、Aroon Prime Trader |
WeTrade International Ltd. | 令和5年1月27日 | WeTrade |
CJC Markets PTY Ltd | 令和5年1月27日 | CJC MARKETS |
株式会社シード | 令和5年1月27日 | Lead |
株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.) | 令和4年12月26日 | ZAIX、ZAIX取引所 |
Performance Ronnaru Capital Ltd | 令和4年12月26日 | PRC Broker |
合同会社KY | 令和4年12月26日 | Needs |
BET GLOBAL MARKET INC. | 令和4年11月30日 | Bi-winning |
JRV Market Ltd. | 令和4年11月30日 | 31FX |
Focus Markets LLC | 令和4年11月30日 | Focus Markets |
Ec MARKETS Global LLC | 令和4年10月28日 | Ec MARKETS |
W.L.Limited | 令和4年9月30日 | WL |
株式会社ダイバースリンク | 令和4年9月30日 | 富士 |
Ahead (HK) Limited | 令和4年8月24日 | AHEAD |
TNG Global Limited | 令和4年8月24日 | TNG Limited |
株式会社Growing | 令和4年6月16日 | Growing AI |
株式会社ブライトエース | 令和4年6月16日 | 循環物色アナライザー |
株式会社LINQX | 令和4年6月16日 | 話題株セレクト |
Pearl Trading FX | 令和4年5月27日 | PTFX |
Weike Ltd | 令和4年5月27日 | WEIKE |
GLOBAL INVESTMENT BANK & CAPITAL TRUST | 令和4年4月19日 | GLOBAL INVESTMENT BANK & CAPITAL TRUST |
Gotlon | 令和4年3月18日 | GOTLON INVESTMENT LTD |
UTOPIA Limited | 令和4年1月28日 | UTOPIA |
引用参照:無登録で金融商品取引業等を行っている者に対する警告|財務省関東財務局
ちなみに、金融庁が海外無登録バイナリーオプション取引業者に警告する際は、日本語サイトの有無や日本からの申し込みの可否を重要な基準として判断しているようです。無登録にもかかわらず、日本語版の公式サイトを作成して、うまい言葉で口座開設・取引をうながす行為自体が違法になり、単に所在しているだけでは該当しないと考えられます。
レクチャー詐欺などが多発しているから
海外バイナリーオプションが違法といわれるのは、サイト自体の問題ではなく、周囲で多発する詐欺も一因となっています。これは「簡単に儲かる」「ラクして儲かる」「100%勝てる」といった表現を使い、バイナリーオプション初心者に対してアプローチするものです。
たとえば、SNSで綺麗な女性による「バイナリーオプションで××万円儲かりました」などの投稿や「バイナリーオプション投資セミナー」のようなオンラインセミナーやネット広告で集客しているようなものは、そのほとんどが詐欺だと思って間違いありません。
これらの詐欺では、最初は無料でもあとから多額の費用がかかったり高額を支払わなければ有力な情報を入手できなかったりするなどの巧妙な手口が基本です。まさに前述した金融庁からの警告にも含まれている内容なので、過激なキャッチコピーに惑わされないよう注意しましょう。
海外バイナリーオプションの利用者は違法になる?
ここまで海外バイナリーオプションの違法性について紹介しましたが、ではトレーダー側はどうなるのでしょうか。
これについて違法性は無いため、安心してバイナリーオプションを行って大丈夫です。金融庁も「海外バイナリーオプション業者との取引は、トラブルが生じた際に何も対処できないため控えるべき」と注意するだけで、利用するのが違法であるとは言っていません。
そもそも、バイナリーオプション事業者が国内のトレーダーに対して金融サービスを提供する行為に制限があるだけで、利用者側には罰則や制限は設けられていないのです。したがって、ユーザーが海外無登録バイナリーオプション取引業者で口座開設・取引することは、適法といえるでしょう。
海外バイナリーオプションを安全に利用する方法
海外バイナリーオプションの違法性を気にすることなく安全に利用するためには、以下を意識した取引が大切となります。
・「必勝」と謳うツールは使わない
怪しいバイナリーオプション業者は利用しない
前述したとおり、海外のバイナリーオプション業者のほとんどは、金融庁への登録がなされていません。それでも「ハイローオーストラリア」のように人気の海外バイナリーオプション業者は存在していますが、中には詐欺業者も混じっているおそれもあります。
そう考えると、怪しいバイナリーオプション業者での取引は避けた方が賢明です。海外バイナリーオプションで口座開設・トレードを行う際は、国内利用者数の多い業者もしくは、名の知れたところで取引するようにしましょう。怪しい海外バイナリーオプション業者を使わないだけでも、さまざまなリスクやトラブルを回避できるため、安全性を保ちながらトレードできると思われます。
「必勝」と謳うツールは使わない
投資の世界ではさまざまな分析ツールが存在しており、バイナリーオプション業界でも有料ツールが出回っています。もし気になるツールの販売文句に「勝率××%」「必勝ツール」「簡単に勝てる」などと掲載されている場合、それは詐欺の可能性が高いと認識しておきましょう。
もちろん、全てのツールが詐欺というわけではなく、なかにはトレーダーの予測を助けてくれるものもあります。しかし、どんなに高額であっても、この世に「必ず勝てる」「勝ち続けられる」というツールは存在しません。うまい言葉には必ずと言って良いほど落とし穴があるため、自身の大切な資金を失わないためにも、怪しいツールは使わないのがおすすめです。
ツールなどのアイテムに頼るのではなく、まずは自身の裁量を磨いて勝率を上げられるよう、練習や勉強に励むことを考えましょう。
まとめ
ここまで、海外バイナリーオプションの違法性について、さまざまな視点からお伝えしてきました。
海外バイナリーオプションでは「違法」「キケン」「やめとけ」など、トレーダーが不安になるような噂や情報が多くあります。金融庁からの警告を受ける怪しい業者が存在するのも事実ですが、ハイローオーストラリアなどの国内利用者が多い海外業者もあり、利用者側では適法でトレードが可能です。
もし、海外バイナリーオプションでの取引に興味があるなら、怪しい業者や有料ツールなどを避け、実績と信頼性の高い業者で口座開設しましょう。そうすれば、違法性や危険性を恐れることなく、納得のいくトレードが実現できるでしょう。